日本からアメリカへ送金する方法|手数料の見かたと受け取りの注意点【2026年版】
2023-05-21
※本記事にはアフィリエイトリンクを含みます。リンク経由で口座開設・ご利用があった場合、当社に紹介料が支払われることがあります。掲載内容や評価に影響はありません。
アメリカにいる家族に生活費を送りたい。留学中の子どもに学費を送りたい。取引先に代金を払いたい。日本からアメリカへ送金する理由はさまざまですが、つまずくポイントは驚くほど共通しています。
いちばん多いのが「受取人に聞いた口座情報が足りず、送金が戻ってきてしまう」というトラブルです。アメリカの銀行送金には日本にない独特のしくみがあり、受取人自身も正しい番号を把握していないことがあります。
この記事では、日本からアメリカへ送るときの選択肢の違い、アメリカ側で受け取るときに必ず確認すべきこと、そして送金コストの正しい見かたを解説します。「どこが一番安いか」は送る金額・受取方法・タイミングで入れ替わるため、この記事では順位はつけません。代わりに、あなた自身がその場で比べられるようになることを目指します。ぜひ参考にしてください。
※本記事の内容は、2026年7月時点で各社および公的機関の公式サイトを確認したものです。手数料や条件は予告なく変更されるため、送金の前に必ず公式サイトでご確認ください。
目次
日本からアメリカへ送るときの選択肢は、大きく3つ
日本からアメリカへお金を送る手段は、①銀行の外国送金 ②資金移動業者(送金専業の会社) ③オンライン送金サービスの3つに分けられます。どれが良いかは金額と受取方法で変わります。
まず、それぞれの性格を押さえておきましょう。
① 銀行の外国送金
三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、楽天銀行、ソニー銀行などが扱っています。米ドルは主要通貨なので、外国送金を扱う銀行ならほぼどこでも対応しています。
特徴は、送金手数料がほぼ定額であること。数万円を送ると手数料の比率が高くなりますが、数百万円単位ならその比率は下がります。銀行発行の送金証明が必要な場面(ビザ申請、不動産の決済、大学への学費支払いなど)にも強い方法です。
一方で、事前の申込や送金先口座の登録に日数がかかる銀行が多く、「今日送りたい」には向きません。PayPay銀行のように外国送金を扱っていないネット銀行もあるので、口座があるからといって送れるとは限りません。
② 資金移動業者(送金専業の会社)
銀行ではなく、資金移動業の登録を受けて送金を扱う会社です。SBIレミット、Kyodai Remittance、Western Union、セブン銀行などが該当します。
少額の送金に強く、現金で受け取れる窓口ネットワークを持っている会社があるのが最大の違いです。アメリカの銀行口座を持っていない相手に送るなら、この分類から探すことになります。
ここで誤解が多いのがセブン銀行です。編集部で公式サイトを確認したところ、セブン銀行の海外送金は送金できる国は多いものの、受取人の銀行口座に振り込めるのは中国とフィリピンだけで、アメリカ向けは現金受取が中心の扱いになっています。「送金できる国の数」と「銀行口座に振り込める国の数」はまったく別の話なので、混同しないよう注意してください。
③ オンライン送金サービス
アプリやブラウザで完結するタイプです。Wiseなどがこれにあたります。
手数料の表示が明快で、送金前に「受取人にいくら届くか」が画面に出るのが特徴です。ただし受け取りは基本的に銀行口座あてのみで、現金で受け取ることはできません。受取人がアメリカに口座を持っているかどうかが、使えるかどうかの分かれ目になります。
アメリカでの受け取り方|ここでつまずく人がいちばん多い
アメリカ向け送金の失敗の大半は、手数料ではなく「口座情報の取り違え」で起きます。日本の銀行にはないしくみが2つあるので、順に説明します。
ACHとWireは、まったく別の送金経路です
アメリカ国内の送金には、大きくACHとWire(Fedwire)という2つの経路があります。名前が似ていますが、中身は別物です。
| ACH | Wire(Fedwire) | |
|---|---|---|
| 処理の方法 | まとめて処理(バッチ) | 1件ずつ即時に処理 |
| 着金までの目安 | 1〜3営業日 | 即時 |
| 取消 | 経路により対応が異なる | 取消不能(最終決済) |
| 主な用途 | 給与振込、公共料金、一般的な送金 | 高額・急ぎの決済 |
Fedwireは即時に完了し、取り消しができません。送金先を間違えたときに取り戻すのが極めて難しいということです。金額と口座番号は送信前に必ず読み合わせてください。
routing numberが2種類ある銀行があります
ここが最大の落とし穴です。1つの銀行が、ACH用のrouting numberとWire用のrouting numberを別々に持っていることがあります。Wiseも公式にこの点を注意喚起しています。
受取人に「routing numberを教えて」とだけ聞くと、相手は手元のチェック(小切手)に印刷された番号を答えます。これはたいていACH用です。Wireで送るのにACH用の番号を使うと、送金が止まったり差し戻されたりします。
受取人には、次のように具体的に聞いてください。
- 「国際送金を受け取るためのrouting numberを、銀行に確認して教えてほしい」
- 「ACH用とWire用で番号が違うかどうかも聞いてほしい」
- 口座番号(account number)と口座種別(checking / savings)も忘れずに
なお、日本の銀行からSWIFT経由で送る場合は、routing numberではなく受取銀行のSWIFTコード(BICコード)が必要です。SWIFTコードの調べ方はSWIFTコードとは?検索方法とおすすめサイト紹介で解説しています。
一方で、Wiseは日本からアメリカへの送金をSWIFTではなくアメリカ国内のACHまたは国内Wireとして実行するため、受取人はrouting number・口座番号・口座種別だけを用意すればよく、SWIFTコードは不要です(2026年7月時点で公式サイトを確認)。
Zelle・Venmoに海外から直接送ることはできません
アメリカに住む相手から「Zelleで送って」「Venmoでいいよ」と言われることがあります。これは日本からはできません。
Zelleは公式に、送金する側・受け取る側の双方がアメリカの銀行口座を持っていることを利用条件としています。日本の銀行口座やクレジットカードからZelleに直接お金を入れる経路はありません。Venmoも同様に、アメリカ国内での利用を前提としたサービスです。
したがって現実的な流れはこうなります。まず受取人のアメリカの銀行口座に着金させ、その後は受取人がアメリカ国内でZelleやVenmoを使う。日本側から直接ウォレットに届けることはできない、と理解しておいてください。
受け取った側の申告:Form 3520とFBARは別の制度です
まず前提として、アメリカで送金を受け取ること自体に、その場でかかる税金はありません。問題になるのは「申告が必要かどうか」です。
ここで、インターネット上の日本語記事によく見られる誤りがあります。FBARは「海外から送金を受け取ったときの申告制度」ではありません。FBARは、アメリカの納税義務者が国外に金融口座を持ち、その合計残高が年内のいずれかの時点で1万ドルを超えた場合に報告する制度です。日本から送金を受け取っただけでは対象外です。
受け取った側で関係してくるのはForm 3520のほうです。IRSの公式情報によると、非居住外国人(日本に住む親など)からの贈与を年間で合計10万ドル超受け取った場合に提出義務が生じます。外国法人・外国パートナーシップからの場合は基準額が低く、2025年は20,116ドル、2026年は20,573ドルです。
大事なのは、これは申告の義務であって、課税ではないという点です。ただし怠ると月5%・最大25%の罰則が定められています。金額が大きくなりそうなら、送る前にアメリカ側の税理士(CPA)に相談してください。
出典:IRS「Gifts from a foreign person」/IRS「Report of Foreign Bank and Financial Accounts (FBAR)」。2026年7月時点で確認
なおアメリカ側で受け取れる金額そのものの法定上限については、公的機関の資料で明確な記載を確認できませんでした。金融機関ごとの受入基準はありますので、高額を送る予定なら事前に受取銀行へ確認してください。
日本側の贈与税の扱いについては外国人配偶者を持つ日本人必見!海外送金と贈与税もあわせてご覧ください。
送金コストは「手数料」と「為替レートの上乗せ」でできている
海外送金のコストは2階建てです。画面に表示される送金手数料と、表に出てこない為替レートの上乗せ。この2つを足したものが、あなたが実際に負担している金額です。
為替レートの上乗せとは何か。ニュースで見る為替レート(ミッドマーケットレート、いわゆる仲値)に対して、送金事業者が自社の取り分を上乗せしたレートで両替する、というものです。この上乗せ分は「手数料」として明細に出てこないため、気づきにくいのが実情です。
たとえば送金手数料が無料でも、レートに2%上乗せされていれば、100万円を送ると2万円を負担していることになります。逆に手数料が数千円かかっても、レートの上乗せがなければ総額は安くなることがあります。手数料の安さだけで選ぶと逆転が起きるのはこのためです。
比べ方は1つだけです。
「同じ金額を送ったとき、受取人の口座に最終的にいくら入るか」を各社の画面で出して、その数字だけを並べる。
これが唯一、条件をそろえて比較できる方法です。手数料の内訳を比べる必要はありません。届く額を比べれば、内訳は自動的に織り込まれます。
ちなみにアメリカ向けは「中継銀行手数料」にも注意が必要です。SWIFT経由の銀行送金では、途中の中継銀行が独自に手数料を差し引くことがあり、この金額は送金時点では確定しません。受取人に届いた額が想定より少ない原因の多くはこれです。手数料の全体像は【徹底解説】海外送金の手数料をわかりやすく解説で詳しく扱っています。
送る前に確認する5つのこと
この5点を送金前に潰しておけば、アメリカ向け送金の失敗はほぼ防げます。受取人に一度で聞いておきましょう。
1. 受取方法(銀行口座か、現金か)
受取人がアメリカに銀行口座を持っているかどうかで、使える選択肢が大きく変わります。口座がないなら、現金受取に対応した資金移動業者から探すしかありません。Wiseをはじめとするオンライン送金サービスは銀行口座あてのみで、現金受取には対応していません。
アメリカで口座を作る方法については、ハワイ旅行者でも日本語で簡単にアメリカの銀行口座を開設する方法も参考になります。
2. 氏名の表記
受取人の氏名は、銀行に登録されているとおりのローマ字表記で送ります。ミドルネームの有無、旧姓、Jr.やSr.の表記がズレると止まることがあります。「口座の名義がどう印字されているか」を本人に確認してもらってください。
3. 上限額
送金サービスごとに1回・1日・1年あたりの上限があります。編集部で確認できた範囲では、Wiseの日本在住者向けの送金上限は最大1億5,000万円相当(第一種資金移動業者のため)ですが、残高の保有上限は全通貨合計で初期100万円で、100万円を超える送金は残高を原資にできず銀行振込などの外部決済が必要になります。
アメリカ側の受取経路の上限としては、Wiseの場合ACHが1件100万USD、Wireが2,000万USD、国際SWIFTが160万USDと公表されています(2026年7月時点)。銀行の外国送金の上限は各行で異なるので、事前に確認してください。
4. 必要書類
日本側では、本人確認書類とマイナンバーの提出を求められるのが一般的です。金額や送金理由によっては、送金目的を証明する書類(請求書、入学許可証、契約書など)の提出を求められることがあります。急ぎの送金ほど、この確認で止まりやすいので注意してください。
5. 着金までの日数
着金日数は経路によって大きく違います。Fedwireなら即時、ACHなら1〜3営業日が目安です。銀行のSWIFT送金は中継銀行を経由するぶん、さらに時間がかかることがあります。
加えて、アメリカと日本の営業日と時差も効いてきます。金曜の夕方に手続きしても、アメリカ側の処理は週明けになることがあります。締め切りがある支払いは、余裕を持って手続きしてください。事業者ごとの日数は【最短即日】海外送金事業者27社 個人の着金までの日数を一覧化にまとめています。
送金前に「実際にいくら届くか」を確かめる
ここまで読んで、「結局どこを使えばいいのか」と思われたかもしれません。答えは「送る金額と受取方法を決めてから、2〜3社の画面で受取額を出して比べる」です。順位は条件で入れ替わるため、これ以外に確実な方法はありません。
比較の基準を1つ持っておくと作業が早くなります。Wiseは両替に使うレートを市場の実勢レート(ミッドマーケットレート)と明示し、手数料を0.73%〜と別建てで表示しています。送金手続きに進む前の画面で、受取人に届く金額を確認できます。
ただしWiseの規約には、仲値と「同期するような合理的措置を実施する」としつつ、特定の時点の指標と必ず一致することを保証するものではないとも書かれています。「常にぴったり一致する」わけではない点は押さえておいてください。
そしてもう一度確認です。受取人がアメリカに銀行口座を持っておらず、現金で受け取る必要がある場合、Wiseは選択肢になりません。その場合は現金受取のネットワークを持つ事業者を探してください。
※金額の確認は無料です。実際に送金するまで料金は発生しません。
まとめ|アメリカ向けは「口座情報」を制する人が失敗しない
日本からアメリカへの送金は、通貨が米ドルという主要通貨のため選択肢が豊富です。だからこそ「どこが安いか」より「正しく届くか」で差がつきます。
本記事の要点を整理します。
- ACHとWireは別物。Fedwireは即時だが取消不能。ACHは1〜3営業日
- 1つの銀行がACH用とWire用で別のrouting numberを持つことがある。受取人には「国際送金を受け取るための番号」と具体的に聞く
- Zelle・Venmoに日本から直接送ることはできない。送金人・受取人とも米国の銀行口座が必要
- Wiseはアメリカ国内のACH/Wireとして着金させるためSWIFTコードは不要。ただし現金受取はできない
- FBARは受取の制度ではない。受け取った側に関係するのはForm 3520(非居住外国人からの贈与が年10万ドル超で申告義務)。申告義務であって課税ではない
- コストは送金手数料+為替レートの上乗せ。比べるのは「受取人に届く額」だけでよい
- SWIFT経由の銀行送金は中継銀行手数料が事前に確定しない
手数料も為替レートも日々動きます。この記事の内容は2026年7月時点で確認したものですので、実際に送る前には必ず各社の公式サイトで最新の条件を確認してください。


Language











